Ian Bostridge, “Schwanengesang”
9/9 の大発見。楽しみすぎる!音楽堂なら行ける、普通に聴けるよう頑張る!曲目も大好きなSong Series (Cycles)が二つ並んでいるではないか!2024/1/19(金)19:00 開演(18:15 開場)
現代最高峰のリート歌手として知られ、世界中の音楽祭やコンサートホール、オペラ劇場で活躍するテノール、イアン・ボストリッジが音楽堂初登場。シューベルト不朽の名曲「白鳥の歌」を中心とした、繊細にして奥深く、美しい詩と歌の世界。
- ベートーヴェン:「遥かなる恋人に寄す」Ludwig van Beethoven :An die ferne Geliebte op.98
- シューベルト:「白鳥の歌」Franz Schubert :”Schwanengesang” D957/96
- Schwanengesang Full Score
- 車椅子席あり(付添一人無料)、舞台右手前。P は音楽堂へ要予約 045-263-2567
イアン・ボストリッジ[テノール]
Ian Bostridge, Tenor
世界各地で目覚ましい活躍を続け、ザルツブルク、エディンバラ、ミュンヘン、ウィーン、サンクトペテルブルク、オールドバラ等の音楽祭や、ウィーン・コンツェルトハウス、カーネギー・ホール、アムステルダム・コンセルトヘボウ、バービカン・センター、ウィグモア・ホール等のコンサートホールに登場。『冬の旅』、『戦争レクイエム』、『イルミナシオン』、『少年の魔法の角笛』、『夏の夜』など。
オペラでも、ベルリン・ドイツ・オペラで《ヴェニスに死す》のアッシェンバッハ、ミラノ・スカラ座で《ねじの回転》のクィント、パリ国立オペラでヘンデルの《イェフタ》、バイエルン国立歌劇場で《ポッペアの戴冠》のネローネと《放蕩児の遍歴》のトム・レイクウェル、ウィーン国立歌劇場で《ドン・ジョヴァンニ》のドン・オッターヴィオ、イングリッシュ・ナショナル・オペラで《魔笛》のタミーノと《セメーレ》のジュピター、ロイヤル・オペラで《テンペスト》のキャリバン等、多くの役どころを演じる。
録音の分野でもグラモフォン賞をはじめ数多くの賞を獲得し、グラミー賞には計15回ノミネートされている。オックスフォード大学で歴史学の博士課程を修了。2004年には大英帝国勲章のひとつであるCBE勲章を受勲。Faber&Faber社より出版した『Schubert’s Winter Journey: Anatomy of an Obsession』(邦訳『シューベルトの「冬の旅」』)は、2016年ダフ・クーパー賞を受賞した。
Introduction
Ian Bostridge’s extraordinary international career has taken him to the foremost concert halls, orchestras and opera houses in the world. Synonymous with the works of Schubert and Britten, his recital career has taken him to the Salzburg, Edinburgh, Munich, Vienna, Aldeburgh and Schwarzenberg Schubertiade Festivals and to the main stages of Carnegie Hall, the Bayerische Staatsoper, La Monnaie and Teatro alla Scala. In opera, Ian has received particular praise for his interpretation of Aschenbach Death in Venice at the Deutsche Oper & Peter Quint The Turn of the Screw for Teatro alla Scala. His recordings have won all the major international record prizes and been nominated for 15 Grammys.
Highlights of the 23/24 season include artistic residencies for the San Francisco Conservatory of Music and as Duo Artist in Residence at LIED Basel with Julius Drake.
Ian Bostridge–tenor Antonio Pappano—piano 2009
★Schubert: Schwanengesang, D. 957 – Die Taubenpost · Dietrich Fischer-Dieskau · Gerald Moore
歌曲集 白鳥の歌 D957 1. 愛の使い / Liebesbotschaft 2. 戦士の予感 / Kriegers Ahnung 3. 春の憧れ / Frühlingssehnsucht <Serenadeがない> 4.すみか / Aufenthalt 5. 遠い地にて / In der Ferne 6. 別れ / Abschied 7. アトラス / Der Atlas 8. 彼女の肖像 / Ihr Bild 9. 漁師の娘 / Das Fischermädchen 10. 都会 / Die Stadt 11. 海辺にて / Am Meer 12. 影法師 / Der Doppelgänger ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン) ジェラルド・ムーア(ピアノ) 録音 1962年
全曲一覧 |
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1.恋の使い 2.戦士の予感 3.春の憧れ 4.セレナーデ 5.わが住処 6.はるかな地で 7.別れ 8.アトラス 9.かの女の肖像 10.漁師の娘 11.都市 12.海辺で 13.ドッペルゲンガー(生き霊) 14.鳩の使い |
0:00 7. Abschied
4:20 6. In der Ferne
12:10 4. Ständchen
16:05 3. frühlingssehnsucht
20:06 2. Kriegers Ahnung
26:15 1. Liebesbotschaft
29:35 5. Aufenthalt
Baritone Vocals: Matthias Goerne Piano: Christoph Eschenbach Composer: Franz Schubert
Schubert: Schwanengesang D. 957 – Piano Sonata D. 960 19 本の動画
Heinrich Friedrich Ludwig Rellstab (1799-1860)ドイツの詩人、音楽評論家。
第1曲 「恋の使い」(Liebesbotschaft) L・レルシュタープ詩 實吉晴夫邦詩 G(ト長調)2/4拍子、 75小節。 銀色に光る小川 あの娘の家に急ぐ おまえは僕の使い 便りを届けてくれ 庭に咲いた草花は あの娘の胸の粧い 真紅に燃えるバラの花を 涼しい流れに浸そうよ 真紅に燃えるバラの花を 小川の流れで咲かそうよ 岸であの娘がまどろみに 僕を想って沈めば やさしく慰めてくれよ 僕はすぐに帰ると やさしく慰めてくれ 僕はすぐに帰るから 赤い夕陽が沈めば あの娘の子守り歌 せせらぎを聞かせてやれ 恋の夢を見せろ 恋の夢を見せてやれ | 第5曲 「わが住処」 (Aufenthalt) L・レルシュタープ詩 實吉晴夫邦詩 荒波、うなる森、 岩場がわが住処 荒波が、うなる森が、 岩肌がわが住処 重なる波のように、 絶え間なく押し寄せる わが涙 尽きることなく 絶え間なくあふれてる 森の樹をゆるがせる 吹きすさぶ風のように 心に隙間風が 絶え間なく吹いて来る 心の寒い夜風が むき出しの岩肌は とこしえに変わらぬ 苦しみだ 時を経てもいつまでも 変わらない 荒波、うなる森 岩肌がわが住処 荒波が、うなる森が 岩肌が、 荒波とうなる森が わが住処 | 第9曲 「かの女の肖像」 (Ihr Bild) H・ハイネ詩 實吉晴夫邦詩 夢にみたあの娘の絵すがたが いつの間にやら 命を受けて口もとに ほほえみ浮かべた 二つのひとみに涙が光る ぼくの目にも涙が浮かぶ 信じられないよ 君がいないなんて! 【歌詞訳2】 僕は暗い夢の中で 彼女の肖像を見つめていた すると、愛しい彼女の顔が そっと息づきはじめた 彼女の口もとには 微笑みが浮かんだ そして、 憂いの涙を流すかのように 彼女の二つの瞳が光り輝いた 僕の涙もまた 頬を伝わった ああ、信じられない 君を失ったということが | 第13曲 「ドッペルゲンガー(生き霊)」 (Der Doppelgänger) H・ハイネ詩 實吉晴夫邦詩 夜更けの 町は静か この家に住んでいたあの娘は とうの昔 去って 同じ場所に残る家 人のいる空を見つめて 手を握り 苦しそう 寒気が身体を襲う 月明かりに私の顔 生き霊よ 青い鬼よ! なぜこの私の昔の苦い恋を もう一度繰り返すか? |
第2曲 「戦士の予感」 (Kriegers Ahnung) L・レルシュタープ詩 實吉晴夫邦詩 c(ハ短調)3/4拍子、 122小節。 周りを囲む戦の仲間 胸が重くなる 戦のただ中にいても 焦がれる心 幾度も夢に見た あの娘の胸あの娘の胸 炉端に火が燃えて 腕の中に眠るあの娘 かがり火が燃えて 武器を照らす 独り寝になれて 寂しさに耐えて 涙に袖を濡らす 袖を濡らす おお、希望を捨てるな いつかまた逢える 戦い抜け やがて私も安らかに 眠る 君もお休み 君もお休み! おお、希望を捨てるな いつかまた逢える 戦い抜け やがて私も やすらかに眠る 君もお休み 君もお休み!」 | 第6曲 「はるかな地で」 (In der Ferne) L・レルシュタープ詩 實吉晴夫邦詩 世を捨てて逃げる人は 異国をまわり国を忘れ 親を憎み 友を捨てて 幸せにはめぐりあわないで滅ぶばかり 恋にやつれ目には涙 つきぬ思い 故郷は遠く胸に秘めて 愚痴も言わず 星を見上げ 希望もむなしく 倒れるばかり そよぐ風に波が立てば 日の光が つかの間かがやく でも光は すぐに消えた 世捨て人の心からの挨拶をおくろう そよぐ風に波がたてば 日の光がつかのま差して すぐに消えて 傷を残した 心をこめた別れのことば 挨拶をおくろう | 第10曲 「漁師の娘」 (Der Fischermädchen) H・ハイネ詩 實吉晴夫邦詩 美しい娘 小舟を捨て 私のそばへ来て 手に手をとろうよ そこに腰を下ろして 手に手を取ろうよ ふたりは幸せ 顔を胸に当てて抱きしめれば 荒い海よりもずっと楽だろう 荒い海に毎日もまれている君 ここでやすめよ この心も海と同じだ 嵐も津波も避けられないけれど 深い海の底に 真珠が眠る 真珠が眠る 【歌詞訳2】 美しい漁師の娘よ 小舟を岸に着けておくれ 僕のところへ来て座っておくれ 仲良く手を取り合おう 僕の胸に顔をうずめておくれ 恐れることはないよ 君は荒れた海に いつも身を任せてるじゃないか 僕の心も海と同じく 嵐もあれば潮の満ち引きもある そして、美しい真珠がたくさん 底に眠っているんだ | Der Doppelgänger German source: Heinrich Heine Still ist die Nacht, es ruhen die Gassen, In diesem Hause wohnte mein Schatz; Sie hat schon längst die Stadt verlassen, Doch steht noch das Haus auf demselben Platz. Da steht auch ein Mensch und starrt in die Höhe, Und ringt die Hände, vor Schmerzens Gewalt; Mir graust es, wenn ich sein Antlitz sehe – Der Mond zeigt mir meine eigne Gestalt. Du Doppelgänger! du bleicher Geselle! Was äffst du nach mein Liebesleid, Das mich gequält auf dieser Stelle, So manche Nacht, in alter Zeit? |
第3曲 「春の憧れ」 (Frühlings-sehnensucht) L・レルシュタープ詩 實吉晴夫邦詩 やわらかなそよ風 花の香もただよう やわらかなそよ風が 花の香をただよわせ 身も心もなごませる 希望に胸をはずませる 風の道をどこまでも 香を追って進もうよ でも、どこへ? せせらぎが聞こえる 谷底へ下ろう せせらぎは絶え間なく 谷間まで続いてる 浮く波も足を速め 水に映る青い空 何が胸を惹きつける 谷底には何がある 下へ、下へ? 黄金の陽の光 喜びを知らせる 黄金の陽の光を 惜しみなく注がれて 幸せを約束する やさしく微笑みながら 嬉し涙を誘われ 思わず頬を濡らした 何故かしら? 緑に囲まれて 輝く花吹雪 山と森に囲まれ 白く光る花ばな 何もかも初日を浴びて つぼみも芽も顔を出す 命の芽を吹き出して すべて願いはかなった さて、君は? 満たされぬ憧れ 涙はとめどなく 満たされぬ憧れを いつも泣いてごまかす 求めるのはただ一つ 飢えと渇きを鎮める 君のやさしい微笑み それこそほんとうの春 君だけが・・。 | 第7曲 「別れ」(Abschied) L・レルシュタープ詩 實吉晴夫邦詩 さらば! 明るい街角 馬はひづめ打ち鳴らし 最後の合図を待っている 悲しい顔はみせない 別れるときも同じだ 別れる時も同じだ さらば明るい町角 庭木の緑よ 川に沿って馬を飛ばし 別れのうたをくちづさむ 悲しい歌は歌わない 別れるときも歌わない 別れるときも同じだ さらば緑の庭木よ さらばやさしいギャルたちよ 花の香りがただよう 家の窓から見送る いつものように手をふるが まわれ右はしないぞ 二度と戻りはしない さらば やさしいギャルたちよ 夕日も沈むとき さらば! 金色の星がまたたく 夜空の星に導かれ この世の果てを旅する 行く手を照らす 守り神 さらば! 夕日は沈んでゆく 窓辺のあかりよ 人恋しく照る光たち 夜人を待っている でも今日は寄らずに行こう たとえ今日が最後の 別れの日と決まっても さらば 窓辺のあかりよ さらば 星たちよ 窓のほのかなあかりが 星のかわりをしてくれる ここで休ことはできない ついてきても ムダだ ここで休めはしない ついてきても ムダだ さらば 星たちよ さらば! | 第11曲 「都市」 (Die Stadt) H・ハイネ詩 實吉晴夫邦詩 遠くの隅に 霧にかすんで 町の姿が現れてきた なまぬるい風 灰色の水路 かなしげに進む 船の船頭 ふたたび 夕日が姿を見せた 照らし出される 別れの現場 【歌詞訳2】 遠い地平線の彼方に 霧にかすんで見えてきた 塔のある街の 夕闇に包まれた姿が 湿った風が波立たせている 灰色の水路の水を 悲しげな調子で 船頭は小舟を漕いでいる 太陽がふたたび昇り 地上を照らす そして、あの場所を見せてくれる 最愛のひとを失った あの場所を | 第14曲 「鳩の使い」 (Die Taubenpost) J・G・ザイドル詩 <x實吉晴夫>邦詩 【歌詞訳】 私は一羽の伝書鳩を雇っている その鳩は、献身的かつ忠実で 決して行き先を間違えないし 行き先を通り過ぎてしまうこともない 鳩は毎日、何千回と お目当ての場所へと出かけていく たくさんの大切な場所を通り 私の恋人の家へとたどり着く そこで鳩は、窓からこっそり覗いて 彼女の眼差しや足取りをうかがう 冗談めかして彼女に挨拶をして そして、彼女の返事と一緒に帰ってくる もう手紙を書く必要はない 涙そのものを鳩に託そう おお、鳩は涙すら届けてくれる 鳩は私に尽くしたがっているのだ 昼も夜も、起きてるときも、 夢の中でも鳩にとっては同じことだ さすらい、彷徨ってさえいれば 鳩は満ち足りているのだ 鳩は、疲れも弱りもしない 道はいつも新鮮だ 誘うことも、プレゼントも必要ない 鳩は私にとても忠実だ だから、私は鳩を胸に抱く 素晴らしい返事を得られると確信して その鳩の名前は”憧れ” 知っているかい? 忠実な気質の伝書鳩を |
第4曲 「セレナーデ」 (Ständchen) L・レルシュタープ詩 d(ニ短調)3/4拍子、 Mässig(ほどよいテンポで) 人気ない真夜中に、 きみを呼ぶ 静かな町角に出ておいで! ささやく梢に月の光、 月の光 人に見られても、 気にはするな、 気にはするな! ナイチンゲールの鳴く 声も、きみを呼ぶ やるせないこの恋を 歌ってる 鳥も知っている 恋の悩み、胸の痛み 銀色の声で胸をゆすり、ハートを刺す 心があるなら 聞いてくれ! 震えて待つぼくを、 迎えてくれ、 迎えてくれ!やさしく | 第8曲 「アトラス」 (Der Atlas) H・ハイネ詩 實吉晴夫邦詩 かわいそうなアトラス かわいそうなアトラス この世のすべての苦しみを ひとりで担うのだ 背負いきれなくて 胸が押しつぶされても 自ら選んだ道だ はかりしれぬ愛を求め はかり知れない不幸に落ちる みずからまいた種だ かわいそうなアトラス かわいそうなアトラス この世の苦しみをひとり 担っていこう この世のすべての罪を! ※「アトラス」というのは、 ギリシャ神話で大神ゼウス に逆らった罰として、この 地球を両肩で永久に支えて いるように命ぜられた巨人 の名前。コウカサスの頂き に鎖で繋がれて内臓を鷲 の嘴で食い荒らされる、 という罰を受けた プロメテウスと双璧を為す 英雄(半神)。 | 第12曲 「海辺で」 (Am Meer) H・ハイネ詩 實吉晴夫邦詩 海の沖の方まで夕映えに照らされて 二人は漁師の小屋に黙って座りこんだ 濃い霧 上げ潮 カモメが群れ飛ぶ 君の目からあふれる涙がこぼれて 君の手をぬらした 私はひざまずいて君の白い手から涙をすすった あれ以来やせ細り死ぬほど焦がれる あの哀れな女が 涙で毒を盛ったのだ 【歌詞訳】 海は遥か彼方まで輝いている 夕暮れの光に照らされて 私たちは静かな漁師小屋のそばに座っていた 黙って二人だけで座っていた 霧が立ちこめて水かさが増した カモメがあちこち飛び交い 愛する君の目から 涙がこぼれ落ちた 涙が君の手の上に落ちるのを見て 私はひざまずいた 私は君の白い手をとって その涙を飲み干した あの時以来 私の体は蝕まれ心は彼女への憧れとともに死んでゆく あの不幸な女に私は毒されてしまった 彼女の涙に私は毒されてしまった | Sie wird nicht müd,sie wird nicht matt, Der Weg ist stets ihr neu; Sie braucht nicht Lockung,braucht nicht Lohn, Die Taub’ ist so mir treu! Drum heg ich sie auch so treu an der Brust, Versichert des schönsten Gewinns; Sie heißt – die Sehnsucht! Kennt ihr sie? – Die Botin treuen Sinns. She never grows tired or faint, the route is always fresh to her; she needs no enticement or reward, so true is this pigeon to me. I cherish her as truly in my heart, certain of the fairest prize; her name is – Longing! Do you know her? The messenger of constancy. ヨーハン・ガブリエル・ ザイドル(Johann Gabriel Seidl, 1804年6月21日 ウィーン 1875年7月18日 )は、オーストリアの 考古学者、専門誌執筆家、 詩人、劇作家。 ハイドン作曲による国歌 『オーストリア皇帝讃歌』 はフランツ・ヨーゼフ1世 の治世になって歌詞が 1854年に書き換えられた が、その作詞を担当 |
Der Doppelgänger
German source: Heinrich Heine Still ist die Nacht, es ruhen die Gassen, In diesem Hause wohnte mein Schatz; Sie hat schon längst die Stadt verlassen, Doch steht noch das Haus auf demselben Platz. Da steht auch ein Mensch und starrt in die Höhe, Und ringt die Hände, vor Schmerzens Gewalt; Mir graust es, wenn ich sein Antlitz sehe – Der Mond zeigt mir meine eigne Gestalt. Du Doppelgänger! du bleicher Geselle! Was äffst du nach mein Liebesleid, Das mich gequält auf dieser Stelle, So manche Nacht, in alter Zeit? | English © Richard Wigmore The night is still, the streets are at rest; in this house lived my sweetheart. She has long since left the town, but the house still stands on the selfsame spot. A man stands there too, staring up, and wringing his hands in anguish; I shudder when I see his face – the moon shows me my own form! You wraith, pallid companion, why do you ape the pain of my love which tormented me on this very spot, so many a night, in days long past? | 夜のしじま、寝静まる路地、 この家に昔あの人が住んでいた。 とうにこの町を去ったのに、 家は今も同じ場所に立っている。 そこに男がひとり、家を見上げて 悩ましげに手をもんでいる。 (両手をよじっている) その顔を見てぞっとする― 月明かりに見えるのはわが姿。 わが分身よ、青ざめた友よ! (青ざめたもう一人の私よ) なぜ私の恋の苦しみを真似るのか、 この場所で、その昔、幾夜も 私を悩ませたあの(愛の) 苦しみを。 (訳:船津 建) |
ふきのとうホール レジデントアーティスト 小菅優コンサートシリーズ Vol. 2
ドイツ歌曲の夕べ ミヒャエラ・ゼーリンガー (メゾ・ソプラノ)
2019年12月7日 プログラムノートより
ベートーヴェンの死後、彼の引き出しの中に二つの女性のミニチュアの肖像画と、郵送することなく保管されていた手紙が発見されました。「私の天使、私のすべて、私自身よ」と始まる「不滅の恋人」の名で知られているこの熱烈なラヴレターが誰への手紙なのか、今まで何人もの研究者によって解明しようとされてきました。特にこの作品「遥かなる恋人に」は、そのベートーヴェンの相手へのメッセージなのではないかと言われ続けてきました。
ベートーヴェンはたくさんの歌曲を残しましたが、この作品は6つの歌が絶え間なく続けて歌われる連作歌曲となっています。作詩は当時医学生だったヤイテレスという21歳の若い青年で、遠く離れる愛する人への憧れが、美しく切ない自然の描写とともに語られています。その景色と季節の中を旅しながら、様々な感情が滲み出てきて、最後の曲(6番)「この歌を聴いてくれ、愛する君のために歌ったこの歌を」では慰めのようなメロディで歌われ、「そして君は僕の歌を歌う」で初めて相手側を想像します。(この最後のテーマはシューマンも妻クララへの気持ちを表しているピアノソロのための「幻想曲 Op. 17」で使っています。)このクライマックスの後、ピアノでまた最初のテーマに戻り、輪廻転生するようなラストで終わります。最後まで憧れが続くが掴むことのできない愛。この切ない心境は、ベートーヴェン自身の恋を表しているのでしょうか。
想い出の写真2016,7
An die Ferne Geliebte
私の関連サイト: 加耒徹Toru Kaku ”詩人の恋” My Favorite (classical) songs Ianさんの音楽はYouTubeで・・・ Violin, N響大宮さんの室内楽コンサート……こんなにあった!私がこの曲をどれだけ好きか!
1. Auf dem Hügel sitz ich spähend In das blaue Nebelland, Nach den fernen Triften sehend, Wo ich dich, Geliebte, fand. Weit bin ich von dir geschieden, Trennend liegen Berg und Tal Zwischen uns und unserm Frieden, Unserm Glück und unsrer Qual. Ach, den Blick kannst du nicht sehen, Der zu dir so glühend eilt, Und die Seufzer, sie verwehen In dem Raume, der uns teilt. Will denn nichts mehr zu dir dringen, Nichts der Liebe Bote sein? Singen will ich, Lieder singen, Die dir klagen meine Pein! Denn vor Liebesklang entweichet Jeder Raum und jede Zeit, Und ein liebend Herz erreichet Was ein liebend Herz geweiht! 2. Wo die Berge so blau Aus dem nebligen Grau Schauen herein, Wo die Sonne verglüht, Wo die Wolke umzieht, Möchte ich sein! Möchte ich sein! Dort im ruhigen Tal Schweigen Schmerzen und Qual. Wo im Gestein Still die Primel dort sinnt, Weht so leise der Wind, Möchte ich sein! Möchte ich sein! Hin zum sinnigen Wald Drängt mich Liebesgewalt, Innere Pein, Innere Pein. Ach, mich zög’s nicht von hier, Könnt ich, Traute, bei dir Ewiglich sein! Ewiglich sein! 3. Leichte Segler in den Höhen, Und du, Bächlein klein und schmal, Könnt mein Liebchen ihr erspähen, Grüßt sie mir viel tausendmal. Seht ihr, Wolken, sie dann gehen Sinnend in dem stillen Tal, Laßt mein Bild vor ihr entstehen In dem luft’gen Himmelssaal. Wird sie an den Büschen stehen, Die nun herbstlich falb und kahl. Klagt ihr, wie mir ist geschehen, Klagt ihr, Vöglein, meine Qual. Stille Weste, bringt im Wehen Hin zu meiner Herzenswahl Meine Seufzer, die vergehen Wie der Sonne letzter Strahl. Flüstr’ ihr zu mein Liebesflehen, Laß sie, Bächlein klein und schmal, Treu in deinen Wogen sehen Meine Tränen ohne Zahl! ohne Zahl! 4. Diese Wolken in den Höhen, Dieser Vöglein muntrer Zug, Werden dich, o Huldin, sehen. Nehmt mich mit im leichten Flug! Diese Weste werden spielen Scherzend dir um Wang’ und Brust, In den seidnen Locken wühlen. Teilt ich mit euch diese Lust! Hin zu dir von jenen Hügeln Emsig dieses Bächlein eilt. Wird ihr Bild sich in dir spiegeln, Fließ zurück dann unverweilt! Fließ zurück dann unverweilt! Ja unverweilt! 5. Es kehret der Maien, Es blühet die Au, Die Lüfte, sie wehen So milde, so lau, Geschwätzig die Bäche nun rinnen. Die Schwalbe, die kehret Zum wirtlichen Dach, Sie baut sich so emsig Ihr bräutlich Gemach, Die Liebe soll wohnen da drinnen, Die Liebe soll wohnen da drinnen. Sie bringt sich geschäftig Von kreuz und von Quer Manch weicheres Stück Zu dem Brautbett hieher, Manch wärmendes Stück für die Kleinen. Nun wohnen die Gatten Beisammen so treu, Was Winter geschieden, Verband nun der Mai, Was liebet, das weiß er zu einen, Was liebet, das weiß er zu einen. Es kehret der Maien, Es blühet die Au. Die Lüfte, sie wehen So milde, so lau; Nur ich kann nicht ziehen von hinnen. Wenn alles, was liebet, Der Frühling vereint, Nur unserer Liebe Kein Frühling erscheint, Und Tränen sind all ihr Gewinnen, Und Tränen sind all ihr Gewinnen, Ja all ihr Gewinnen. 6. Nimm sie hin denn, diese Lieder, Die ich dir, Geliebte, sang, Singe sie dann abends wieder Zu der Laute süßem Klang! Wenn das Dämmrungsrot dann ziehet Nach dem stillen blauen See, Und sein letzter Strahl verglühet Hinter jener Bergeshöh; Und du singst, und du singst, was ich gesungen, Was mir aus der vollen Brust Ohne Kunstgepräng erklungen, Nur der Sehnsucht sich bewußt, Nur, nur der Sehnsucht sich bewußt: Dann vor diesen Liedern weichet Was geschieden uns so weit, Und ein liebend Herz erreichet Was ein liebend Herz geweiht! Und ein liebend Herz erreichet Was ein liebend, ein liebend, Ein liebend Herz geweiht. Dann, dann vor diesen Liedern weichet, Was geschieden uns so weit, Und ein liebend Herz erreichet, Was ein liebend Herz, Ein liebend Herz geweiht, Was, was ein liebend, Liebend Herz geweiht(聖別された)! | 1 On a hillside I sit gazing at the blue and hazy land, thinking of the distant meadows, where we wandered hand in hand Now so far from you beloved, hills and valleys lie between us and our devotion, and our joys and all our pain. Ah, you cannot see the longing, which is burning in my eyes, and my sighs are widely scattered in the space that between us lies. Then will nothing ever reach you, can loves messenger not say? Will you hear my songs lamenting, songs of anguish and dismay! And yet time and distance vanish to the strains of lover’s songs, and a loving heart can reach out where a loving heart belongs. 2. Where the mountains so blue from the grey mists arise, that’s what I see. Where the sun fades from view, where the clouds sail the skies, there I would be! there I would be! In the valley of peace pain and sorrow will cease, and in the rocks silent primroses know, where the soft breezes blow, there would I go! there would I go! To the dark brooding wood, urged by love’s violent mood feeling my pain, feeling my pain. Ah! it’s here I would bide, if she were by my side, mine to remain! mine to remain! 3. Light clouds sailing in the heavens, little streamlet fast and free, greet my sweetheart if you see her, many thousand times from me. Then o clouds, if you should see her, walking sadly in the vale, let my image rise before her in the air through which you sail. If you see her in the garden, now that Autumn pales the leaves, tell her little birds my troubles, tell her how my heart still grieves. Calm west wind bring on your breezes, send them to my heart’s desire, and my sighing soon will vanish like the sunset’s dying fire. Whisper all my love beseeching little streamlet as you go, and upon your rippling surface, countless tears to her will flow, Countless tears. 4. All the clouds on high above me, merry birds that fill the sky, if you see my gracious dear one, take me with you as you fly. Oh west wind so gladly playing round her cheeks and breasts divine in her silken hair to nestle, could such joy be also mine. From the hills the busy stream is flowing quickly on its way, should you catch her sweet reflection, flow back here without delay, flow back here without delay, without delay. 5. The Maytime is here with the meadows in bloom, the mild breezes blow with a fragrant perfume, and babbling the streamlets are flowing. The swallow returns to the roof she knows best, and eagerly fashions the soft bridle nest, for there shall love be dwelling, for there shall love be dwelling. They criss-cross the sky as they fly overhead to gather soft down for a new bridal bed, to give needed warmth for the young ones. She’s paired to her mate In a faithful display, what winter divided is joined now by May, as all things by love are united, as all things by love are united. The Maytime is here with the meadows in bloom, the mild breezes blow with a fragrant perfume. Why then do I have to remain here? When Spring has united the faithful and true, then why has the Spring not returned me to you, rewarding us only with weeping, rewarding us only with weeping, yes only with weeping. 6. Take then, take these songs I’m singing, share in them the love I found, sing them In the quiet evening to the lute’s sweet sound. When the twilight glow has faded on the lake so blue, so still. As its last dim rays are shaded, as it sinks behind the hill. And you sing, and you sing the songs I’m singing, from a full and simple heart, from a heart that knows such longing, conscious only of its love. Love, only longing, only love. Then before us all Is yielding to the sound of lover’s songs, and a loving heart can reach out where a loving heart belongs, and a loving heart can reach out where a loving heart, my heart, where a loving heart belongs. Then, then all yields to our devotion, to the sound of lover’s songs, and a loving heart can reach out to a loving heart, to where a heart belongs. Where, where a loving, loving heart belongs. |