◆「自民党憲法草案には何が書かれているのか」
自民党憲法草案には何が書かれているのか
2015.11.25 Wed 木村草太×荻上チキ
自民党の憲法改正草案は2012年に発表され、安倍総理はこれまでも度々、憲法改正に意欲を示してきた。そして今回、来年夏の参院議員選挙においても憲法改正を公約に掲げることを明言した。そもそも、この憲法草案には何が書かれているのか。現在の日本国憲法とどう変わっているのか。また、実際にどう機能していくのか。首都大学東京准教授・憲法学者の木村草太氏が解説する。TBSラジオ「荻上チキSession22」2015年09月25日(金)「自民党憲法草案」より抄録。(構成/大谷佳名)
「同人誌」のような憲法草案
荻上 ゲストをご紹介します。首都大学東京准教授で、憲法学者の木村草太さんです。よろしくお願いします。
荻上 さっそく、自民党の憲法草案の中身を見ていきたいと思います。まず、この草案全体の印象はいかがですか?
木村 全体的な印象としては「同人誌」のような感じだと思いました。つまり、国民や野党に広く支持を呼びかけるというよりは、ごく一部の人たちの願望がそこに表現されているだけ。内輪で盛り上がるための作品のように見えますね。
荻上 なるほど。自民党議員からさえ、「この草案が原案になることはない」とも言われている中で、あえてこの草案に注目する意味はどういったことでしょうか。
木村 憲法改正を何のためにやるのか、あるいは誰がやるのか、という点に注目してほしいからです。憲法は、「国をこういう風に運営していきたい」という、主権者たる国民の声から作られていきます。ですからみなさんもぜひ、「国民としてこういう条文が欲しいかどうか」に注目して聞いてください。
荻上 その憲法の下で自分は生きやすくなるか、生き苦しくなるのか。そこが基準だということですね。では、木村さんにピックアップしていただいた重要だと思われる箇所を紹介していきたいと思います。Read More →