被団協の’24ノーベル平和賞受賞式
田中熙巳(てるみ)さん(92)を追うサイト
この中で現地で演説を行う田中煕巳 代表委員は「今回の受賞をきっかけに世界中の核兵器をなくさないといけない、なくすために活動しないといけないという思いを持ってもらい、大きな運動になることを期待したい」と述べました。
また、すでに完成したという演説の内容について「中身を考えるのに頭のほとんどを費やし、夢の中まで出てくるほどだった」と振り返ったうえで、「原爆が人間にどういう被害を与えるかよく知られておらず、『非人道的』といっても必ずしも頭に浮かんでいるわけではないと思うので、どういう被害をもたらすのか、ことばだけでなく中身が伝わるようにしたい」と述べました。
田中 熙巳 TANAKA Terumi (peace boat site)(日本被団協代表委員、埼玉県原爆被害者協議会会長)
1932年中国東北部(旧満州)生まれ。東京理科大学物理学科卒業。博士(工学)。1938年父の死亡により、父母の姉たちがいた長崎に移住。1945年8月9日、県立長崎中学校1年在学時、爆心地から3.2キロの地点で原爆被爆。爆心地付近にいた二人の伯母を含む親族5人の命を一挙に奪われ、母方の伯母を野原で荼毘に付す。1972年から被爆者運動に関わり、宮城県原爆被害者の会や日本被団協の役員を歴任。2000年6月より、日本被団協事務局長を務める。2017年6月より日本被団協代表委員。<元東北大学工学部助教授、博士(工学)(東北大学、1993年)>
nhk 【全文】ノーベル平和賞授賞式 日本被団協 田中熙巳さんの思い12/9 NHKの単独インタビュー
日本被団協 きょうノーベル平和賞授賞式 田中熙巳さんが会見 <全文>
質疑Q.ノーベル平和賞は日本被団協にどのような影響を与えますか。将来にどのような期待をしますか。
A.正直申しますと、日本被団協は、核の廃絶、今のことばで言うと、核のタブーの確立のために貢献してきたと私どもは自負をしていました。
ノーベル平和賞をいつかは、遠くない将来にいただけるんだというふうに期待していた年が結構ありました。それが叶わないできたという、諦めていた時に、先ほど申しましたように今年の思わない受賞でありましたので、本当に私どもの運動の経過が初めてと言いますと申し訳ないんですけども、ノーベルの委員会にも認められたし、それを通して世界の人たちに認めていただけることになったんだというふうに思っています。
なぜ、特に私どもの受賞が今年与えられたかということになりますと、やはり、今の世界の核情勢、2年前のロシアのウクライナに対する侵攻、しかも核兵器を威嚇に使うというような状況での侵攻、それからイスラエルのガザに対する、なんて言いますかね、私どもからすると申し訳ないような、申し訳ないようなと言うのは変ですけれども、残虐な行為が繰り返されていることに対しての怒りというのもあるんですけども、そういう全体の中で、やはり核がまた軽く語られる、核兵器を使うことが軽く語られるような時代になったということは大変私どもにとっては遺憾なんですね。ある種、悲しい思いがいたします。
A Japanese organisation of atomic bomb survivors from Hiroshima and Nagasaki has won the Nobel Peace Prize for its “efforts to achieve a world free of nuclear weapons”. The group, known as Nihon Hidankyo or Hibakusha, which is a Japanese term to describe the survivors of the atomic bombings, was awarded the prize in the Norwegian capital of Oslo on Friday morningThe Norwegian Nobel Committee, announcing the award, said in its citation: “Hibakusha is receiving the Peace Prize for its efforts to achieve a world free of nuclear weapons and for demonstrating through witness testimony that nuclear weapons must never be used again.”
♬授賞式、受賞スピーチ furi-
代表委員 田中熙巳さんの演説全文 in English フリードネス委員長のSpeech
(asahi)ノルウェー・オスロで10日にあったノーベル平和賞の授賞式で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)を代表してスピーチした田中熙巳(てるみ)さん(92)は、日本政府が原爆の犠牲者に国家補償をしていないことに繰り返し言及した。あえて強調したのはどんな思いからなのか、どう受け止められたのか。 《もう一度繰り返します。原爆で亡くなった死者に対する償いは、日本政府は全くしていないという事実をお知りいただきたい》
――田中さんは授賞式で、なぜ「国家補償」を強調したのでしょう。
「補償」とは、「お金がほしい」ということではありません。死者の無念を代弁し、放置されてきた人たちを忘れないでと訴え、国に「償い」を求めたものです。そうした田中さんの強い思いを感じさせるスピーチだったと思います。