神道学者高森明勅の退位に関する論陣は傾聴に値すると思われる。
2016/09/26 | 福澤諭吉「帝室論」は名著 | | by 高森明勅 |
これまで世に現れた天皇論の中でも屈指の名著。特に、今上陛下ご自身の「象徴天皇」像を理解する為には、どうしても欠かせない文献。過日、私が期待する優秀な若き社会人に推薦したところ、喜び勇んで読み始めたものの、全く歯が立たなかった。「すみません。全く理解できず、読めません」と。
若い世代の読書力の低下に愕然とし、かつ落胆した。
だから、どこかの出版社が乗り気になってくれたら、及ばずながら私の現代語訳で出そうかと思っている位だ。(現代語訳あり!)
ここでは原文のまま、その一節を掲げておこう。
「我帝室(皇室)は日本人民の精神を収攬(しゅうらん)するの中心なり、其功徳至大なりと云ふ可し。国会の政府は二様の政党相争ふて火の如く水の如く盛夏の如く厳冬の如くならんといえども、帝室は独り万年の春にして、人民これを仰げば悠然として和気を催す可し。
国会の政府より頒布する法律は其冷なること水の如く、其情の薄きこと紙の如くなりといえども、帝室の恩徳は其甘きこと飴の如くして、人民これを仰げば以て其いかりを解く可し、何(いず)れも皆政治社外に在るに非ざれば行はる可からず」(いえども、いかり、原文は漢字)
特に「何れも皆政治社外に在るに非れば行はる可からず」の箇所は、現代の政治指導者がよくよく肝に銘じておくべき一文だ。
高森明勅の『今昔モノ語り』(8/20-10/11) 小林よしのりサイトにある「今昔モノ語り」
10/11「NHK世論調査」結果:
皇室典範の改正で(56%) 天皇退位は特別立法で(27%) 生前退位は認めない(7%)