日本学術会議(続_4)

 この問題がないがしろにされていい訳がない。例えスガが廃人になったとしても誰も忘れてはいない。

Science Council of Japan SCJ (日本学術会議)

朝日新聞記事より

『理念なき法人化』が本当に行われたなら、日本の学術の『終わりの始まり』になる。心配です。」
 ――「終わり」とは?
 「ひとえに学術に基づき、社会や国に意見を言うのが、ナショナルアカデミーたる日本学術会議の使命です。しかし人事や運営面で国のコントロールが強まれば、国の方針に逆らうようなことは言いにくくなるでしょう。その影響は、いずれ学術界全体に及びます」
 「地球温暖化など、世界の英知を結集して対応すべき問題が眼前に迫っている。フェイクニュースが氾濫するこの時代に、ナショナルアカデミーの重要性はより増しているはずなのに、力をそぐようなことをして、本当にいいんですか?と」

 「国を動かす人たちに、科学というものがよく理解されていないのかもしれません。それぞれの研究が、どんなところでどういうふうに役に立つか、最初から見通しが立つわけではない。だからある程度寛容に、科学者の知的好奇心が自由に羽ばたくようサポートする態度が必要なのですが、そういう面が弱すぎる感じがします」

 ――何を言い続けますか。
 「ナショナルアカデミーとして学者の総意を社会や国、国際社会に発信できる組織であること。そのために学術会議が掲げ続けている  ①学術的に国を代表する機関としての地位  ②そのための公的資格の付与  ③国家財政支出による安定した財政基盤  ④活動面での政府からの独立  ⑤会員選考における自主性・独立性――の5要件をすべて満たすこと。ここは絶対に譲れません。現執行部は苦しいでしょうが、踏ん張ってほしいと思います」

 ――報道によると、学術会議は最終報告を「大筋容認」と。梶田さんがせっかく3年間を捧げて政府と対峙したのに、ちょっとがっかりしませんか?
 「よくわかりません。ただ、『大筋容認』は報道のミスリードじゃないかな。まだそこまでには至っていないと、信じています」
 ――ここで妥協しないと潰される。そんな恐れが現執行部にはあると巷間言われています。素朴な疑問ですが、潰されたらまずいのでしょうか。
 「これは完全に僕個人の考えですが、国からの独立性を失い、本当にデタラメな学術会議になるんだったら、『国が潰した』の方がまだましですそういう国だと世界から思われるでしょうが、それも仕方がない。そんなふうに思っています」
 ――梶田さんなら「だったら潰してくれ」と言うと。
 「いやいや、自分から『潰して』なんて決して言いませんよ。我々の意見はこうですと言い続けます。同じことを言い続けて、それでも結果、国に潰されるんだったら、しょうがない。そういう国だとあきらめるしかない」

「学術会議の言葉、国は聞かなくなる」加藤陽子氏ら法人化反対の会見 2025年2月15日

声明をまとめたのは憲法学者や政治学者らがつくる「安全保障関連法に反対する学者の会」。声明では、加藤陽子・東京大教授ら6人の任命拒否について「不作為の違法状態が続いている」として、任命と拒否理由の開示を政府に求めている。

 法人化法案については、首相任命の監事を新たに置くなど「独立性と自律性を破壊しようとしている」と指摘。「新法は国益に反する結果を招き、法改正が強行されたとしても任命拒否の違法性は消えない」とした。