米国の都合で解釈される?日本の[安全保障]

 日本製鉄のUSスチール買収阻止問題で、政治的思惑丸出しの(バイデンの)2025/janの決定には米国内でも「米国の繁栄と安全を損なう特別利益団体への哀れで卑屈な迎合である。法律を乱用しながら、同盟国を裏切る姿を見るのは残念だ」(ジェイソン・ファーマン米ハーバード大教授)との指摘がある。ジェイソン・ファーマン・ハーバード大教授の「X」への投稿

Jason Furman  President Biden claiming Japan’s investment in an American steel company is a threat to national security is a pathetic痛々しい and craven臆病な cave to special interests that will make America less prosperous and safe. I’m sorry to see him betraying our allies while abusing the law.


 そもそも、「戦略的競争相手」とみなす中国に対抗しようと、対中輸出規制や重要物資のサプライチェーンの強靱化で日本に協力するよう求めてきたのは米国です。これは、「フレンド・ショアリング(Friend-shoring)」と呼ばれるもので、中国などに対抗するため、米国の同盟国や友好国の間での重要物資のサプライチェーン構築を目指す考えです。

Friendshoring
This currently in-fashion trade buzzword has arrived out of recent economic crises and strains on global supply chains caused by various shocks to the global economy. These include the COVID-19 pandemic and Russia’s invasion of Ukraine.

Essentially friendshoring refers to the rerouting of supply chains to countries perceived as politically and economically safe or low-risk, to avoid disruption to the flow of business.

The practice has stoked concern within the international community about the possibility of further geo-political fragmentation and deglobalization of the world’s economy – the decline of interdependence between nations, global institutions and enterprises.

The US government, for example, has stressed its intention to obtain components and raw materials from ‘friendly’ countries with shared values to increase security of domestic production.

US Treasury Secretary Janet Yellen set out Washington’s new approach to trade last year: “Rather than being highly reliant on countries where we have geopolitical tensions and can’t count on ongoing, reliable supplies, we need to really diversify our group of suppliers,” she said.

“Friendshoring means… that we have a group of countries that have strong adherence to a set of norms and values… and we need to deepen our ties with those partners and to work together to make sure that we can supply our needs of critical materials.”

Tech giant Apple is one American company to have recently made friendshoring moves, relocating some of its iPhone production to India from China. Currently, only 5% of Apple products are made outside of China, but recent JP Morgan analysis suggests this could rise to a quarter by 2025, Reuters reports.

<ただ、野口教授の次のような意見もある。> これまでの経緯を振り返ると、次の通りだ。

 経営再建中のUSスチール2023年夏、自力での再建を諦め、身売りを表明した。同年12月に、日本製鉄が米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスなどに入札で勝ち、USスチールを約141億ドル(約2兆円)で買収する計画を発表した。

 これに対して全米鉄鋼労働組合(USW)は、即日、反対を表明した。アメリカの国家安全保障上の利益にかなうかどうかが問題だという理由だが、USWは、クリーブランド・クリフスを買収先として考えていたからだといわれる。ところが、この問題は、アメリカ大統領選の中で政治問題化した。24年1月にはトランプ氏が反対を表明し、バイデン氏も慎重にならざるを得なくなった。

 4月12日に、USスチールの臨時株主総会が買収計画を承認した。賛成比率は投票総数の99%だった。その後、政府の対米外国投資委員会が、国家安全保障上の脅威になるかどうかを審査したが結論が出ず、判断をバイデン大統領に一任していた。

 最初に、日本側の考えや受け止め方に対する疑問を挙げると、私が理解できないのは、日本製鉄がなぜUSスチールの買収にこだわるのか、なぜアメリカでの生産にこだわるのかだ。より一般的に言えば、なぜ日本で生産してアメリカに輸出するのではダメなのか?なぜアメリカ企業を買収して、現地生産をする必要があるのか?ということだ。

 日本製鉄は、日本国内の粗鋼需要の増加がこれ以上は見込めない中で、アメリカは先進国の中でも安定した大きな需要が見込めることを買収の理由に挙げている。買収に成功すれば、日本製鉄の粗鋼生産量は世界第4位から第3位になるといわれる。確かに鉄鋼業は規模の利益が大きい産業だ。しかし、生産量だけを増やしたところでどれだけ意味があるだろうか? 

 重要なのは、付加価値の高い製品を作ることによって、企業価値を高めることだ。実際、中国が世界粗鋼生産量の約半分を占めている今、いくら生産量を増やしても中国の製鉄会社には勝てない。だから、買収が不成立となっても、それは日本にとって大きな損失にはならないだろう。野口悠紀雄:一橋大学名誉教授

 隣国・韓国では尹錫悦(Yun Seok-yeol)大統領の拘束令状をめぐって内政が混乱、そして同盟国米国バイデン政権が、日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画を禁じる命令、フランスで2024年6月に行われた欧州議会選挙では、RNの得票率が31.37%でトップとなり、マクロン大統領を支持する中道の「与党連合」(14.60%)に大差をつけて勝利。ドイツ連邦議会で12月16日、オラフ・ショルツ首相の信任投票が実施され、反対多数で否決された。この結果を受けてショルツ首相はシュタインマイヤー大統領に議会の解散を提案。2025年2月23日に20年ぶりとなる議会解散に伴う総選挙が実施される見通し。

 イタリアのメローニ首相が(1月)4日、米南部フロリダ州にあるトランプ次期大統領の私邸マール・ア・ラーゴを訪問しトランプ氏と会談。主要7カ国(G7)の欧州首脳でトランプ氏の就任前にマール・ア・ラーゴを訪れたのは初めてで次期米政権で米欧をつなぐパイプ役としての存在感を内外に誇示。イギリス・スターマー首相はただただ人気がない。民主的政治を続けたカナダ・トルドー首相はもうすぐ辞任するらしい(インフレ対策などをめぐり支持率が低迷する中で決断を迫られた)。どうなっているのか?

メローニ首相と

<スターマー首相・関連> マスク氏は引き続き「X」で首相や労働党関係者を名指しで攻撃し続け、首相を「まったくおぞましい」と書いた。また、「グルーミング・ギャング」に対する全国的調査の要求を「極右行動主義」と首相が呼んだことについて、「まったくばかげた言い分だ」と反応した。

 マスク氏がスターマー首相を失脚させようとしていることは、労働党政権にとって外交上の頭痛の種になり得る。世界一の金持ちというほかに、マスク氏はドナルド・トランプ次期米大統領に近い主要側近のひとりでもある。2024年米大統領選でトランプ氏を精力的に支持したマスク氏はこのところ、イギリスや欧州の政治に目線を移し、主に新興の右翼勢力の運動を支持している。

Few European leaders have felt the lash of Elon Musk’s social media outbursts more than Germany’s Chancellor Olaf Scholz. The tech-billionaire owner of X has called him an “incompetent fool” and urged him to resign. On Thursday Musk will use his platform to host Alice Weidel, the head of Germany’s far-right, anti-immigrant AfD for a lengthy chat. For many German politicians it smacks of political interference, with the AfD running second in the polls ahead of federal elections on 23 February. “You have to stay cool,” says Scholz. “Don’t feed the troll.”