Haiku Poem, 2022 Oct.-Dec.

  10月 ★ 11月  12月    

(勉強用)

10月

雲を見るほかなく角の伐られけり(岩田 奎)
・秋晴の運動会をしてゐるよ(富安風生)
・虫の夜の星空に浮く地球かな(大峯あきら)
十月のやたらさみしい雨の朝(中内亮玄)

・空は太初の青さ妻より林檎うく(中村草田男)
・青空のしんとありけり唐辛子(行方克巳)
・蛇笏忌の空屈強の山ばかり(飯田龍太)
空くるり吸はれて菊に奥のある(宮﨑莉々香)

いくたびも風がとほりて茱萸のいろ 細川加賀

*『生身魂』(1980年、東京美術)より

加賀(1924-89)は東京生まれの俳人。石田波郷の『鶴』に参加。『初蝶』を創刊、主宰しました。

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2022/10/09

◆ 🌸秋の雲ふわり流れて湾(うみ)青し

◆ 🌸背を伸ばし歩いてみたり秋の日に

歌うため舞台中央へ歩く夢  

10/1(土)8月から目標にしていた鎌倉の庭の訪問達成!

◆ (鎌倉の)わが庭にやさしく咲くや金木犀

◆ 木犀のその金色の花やさし

◆ 木犀のかそけき香り吸い込みぬ

◆ 木犀よ秋には香れ我なくも (あれ?縁起悪い?)

◆ 枝折りて部屋に木犀の香を惜しむ

母の留守木犀の香に眠りけり (飯島みさ子)

「病床」の前書きがあります。母がいない寂しい家で、木犀の甘い香りに癒されて眠ります。病弱で四肢が不自由なみさ子は13歳で始めた俳句を心の糧として生き、大正12年、24歳で亡くなりました。(季語=木犀)

林檎の木ゆさぶりやまず逢いたきとき (寺山修司)

逢いたくても逢えない、そんなとき、激しく鬱屈した思いを林檎の木にぶつけます。青森高校時代の、みずみずしい青春の一句です。(季語=林檎)

金沢動物園にて 2022/10/29

◆ キリンオカピのんびりエサ食む秋の午後

◆ 秋晴れの動物園内歩行練習

◆ 山の端の斜面色づき土湿る

◆ 湿る土に足を取られて散歩かな

◆ 走る子らのそばをとぼとぼ老婆ゆく

All in all I enjoyed that beautiful day!

◆ 🌸Even in a wheelchair I felt joy and happiness on that autumn day

静けさのあつまつてゐる式部の実 (大岳水一路)

紫式部の、澄んだ紫の美しい実。しんと静かな晩秋の空気のなか、そこが静けさの中心のように感じられるのです。(季語=式部の実)

11/8 穏やかな秋の日、BGM付きのYouTubeチャンネルで秋を楽しむ

  ◆ 行く秋を今年はTVのスクリーンで見る

  ◆ 鮮やかに紅葉色変え秋は行く

  ◆ 緩やかに秋は深まり去りゆきぬ (まだ、だけど!)

20221107

こもれびにて 11/10

 ◆ 窓越しに木漏れ日受けて湯に入る

 ◆ 山裾の斜面にこもれび光る秋

こもれびに通う片吹あたりのイチョウが金色に輝き、やがて落ち葉の絨毯になっている。11/30

 ◆ 秋の朝銀杏並木をデイケアへ 

 ◆ 🌸”また明日”友と手を振る秋の暮

 ◆ 金色の銀杏の落ち葉踏みしめん

 ◆ 秋の日は湾(うみ)もゆっくり暮れてゆく

 

12月

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星空へ微光それぞれ冬木の芽 (倉橋羊村)

固い鱗片でおおわれ、春に萌えだすための力を蓄えている冬木の芽。小さな木の芽たちは、星空に向かって、やわらかな、かすかな光を放っているようです。(季語=冬木の芽)

枯野原汽車に化けたる狸あり     夏目漱石

 今日は漱石忌。昨日は枯れ野に野球のベースを置く話だったが、漱石は枯れ野を走る汽車をタヌキが化けている、と思ったらしい。この汽車は枯れ野のかなたを走っていて、タヌキほどに小さく見えるのだろう。そういえば、名作「坊っちゃん」に登場する中学校の校長はタヌキ(坊っちゃんがつけたあだ名)、土地の汽車はマッチ箱みたいに小さい。<坪内稔典>

食べて寝ていつか死ぬ象冬青空 (神野紗希)

ぷおーんと長い鼻を伸ばして餌を食べ、お腹がいっぱいになれば寝て、気持ちよさそうな象。いきものは、生まれて、生きて、そしていつか死んでゆくのです。きれいな冬の青空が広がっています。(季語=冬空)

・地下鉄に息つぎありぬ冬銀河(小嶋洋子)
一本の冬木をめがけ夜の明くる(望月 周)
・冬麗のたれにも逢はぬところまで(黒田杏子)
ことごとく未踏なりけり冬の星(髙柳克弘)

12/14 こもれびへの通所の道では、銀杏の黄色い葉が風に吹かれている。

  • ◆ 冬空に銀杏の枯葉光りおり
  • ◆ 冬空にイチョウの枯葉走りおり
  • ◆ 冬空や銀杏の黄葉の寂しけり
12/16朝撮影

12/16(金) 冬が少しずつ深くなる。

◆ 浴槽に冬の陽まぶし目を閉じぬ(daycareにて)

◆ 車中から銀杏photo撮る冬の朝(daycareへ向かう車中)

 どうしても、銀杏の枯葉を撮りたいと、スタッフに頼んで車中からカメラを構えた。わがままを聞いて、並木道をゆっくり走ってくれたドライバーさんと介護士さんに感謝!

滅ぶもの不滅なるもの冬の雲 (戸松九里)

冬空に生まれた雲が、少しずつ形を変えて流れていきます。絶えず変わり続ける雲を見上げながら、やがて滅んでゆくもの、そして決してなくならないものに思いを馳せます。(季語=冬の雲)

12/21(水) At Komorebi <冬至>

 ◆ 湯に浮かぶ柚の実左手で握ってみる

 ◆ 🌸あの日からはや1年の冬至かな


12/28 こもれびDaycare最終日

 ◆ 大浴槽も人影まばら年の暮

しやこばさぼてん撩乱と垂れ年暮るる (富安風生)

蝦蛄(しゃこ)がつながったような形で垂れ下がる 蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん)。クリスマスカクタスともいわれ、可憐な赤い花が入り乱れ、咲き乱れます。今年も、もう終わろうとしています。(季語=しゃこばさぼてん)

シャコバサボテン

12/30 ハイム花壇散歩

◆ 年の瀬の晴れたる午後のひとときはパウル・リンケ(PAUL LINCKE) 「ベルリンの風」

◆ ゆく年をベルリン・フィル聴き惜しむかな

Haiku Poem

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