♪ Io son l’umile ancella

私はおとなしい下僕

 In Adriana lecouvrer by Cilea

Montserrat Caballe – Io Son L’Umile Ancella 1976
大村博美 - 「わたしは神のいやしいしもべです」
by Italian composer Francesco Cilèa (1866-1950). The libretto is by Arturo Colautti.

モンセラ・カバリエ チレーア 「アドリアーナ・ルクヴルール」から『わたしは神のいやしいしもべです』

Ecco, respiro appena,

Io son l’umile ancella
del genio creator;
Ei m’offre la favella
Io la diffondo ai cor…
Del verso io son l’accento,
l’eco del dramma uman
il fragile strumento
vassallo della man…
Mite, gioconda, atroce,
Mi chiamo Fedeltà ;
Un soffio è la mia voce,
che al novo di morrà .

 
アリア:語源は空気や雰囲気を表すラテン語aer。アリアとエアは区別されるように(大井駿)

「シンプルなメロディの曲」を1つの言葉だけで表すにはあまりにも違いが出てくるようになりました。ここでアリアは2つに分かれます。

(1) オペラ内で演奏される曲や、単独で書かれた作品アリア(aria/イタリア語)もしくはアリエ(Arie/ドイツ語)、

(2) 組曲内の簡単な伴奏にシンプルなメロディが乗った曲エア(air/英語・ドイツ語)と呼ばれるようになります。ちなみにフランスではどれもエール(air/フランス語)。すべて語源は同じです。……ややこしいですね!やはり、これらが混同されることもあるようです。

例えばバッハの管弦楽組曲第3番、《G線上のアリア》として親しまれている第2曲。シンプルなメロディにシンプルな伴奏ですよね。曲調も落ち着いています。これはリュートなどのシンプルな楽器で伴奏されるスタイルから派生したエア(もしくはエール)に分類されます。では、同じバッハの《ゴルドベルク変奏曲》の主題はなぜアリア? それは、単独で書かれた作品だからです。言葉の変遷から見てみると、同じアリアでもここまで奥深いのです。