Handel: Giulio Cesare / Act 3 – 「ジュリオ・チェーザレ」より「この胸に息のある限り」
このアリアを歌う時のクレオパトラは囚われの身で、エジプトを共同統治していた弟トロメーオの反逆に合い、頼りにしていたチェーザレとも引き離され、我が身の不幸を嘆いています。まあメソメソと歌ってるわけですが、2分35秒過ぎからの中間部分は一転して激しい曲調となり、死んだら化けて出てやるからぁッ!とトロメーオに恨みをぶちまけています。
CLEOPATRA E pur così in un giorno perdo fasti e grandezze? Ahi fato rio! Cesare, il mio bel nume, è forse estinto; Cornelia e Sesto inermi son, né sanno darmi soccorso. O dio! Non resta alcuna speme al viver mio. | CLEOPATRA こうして私は1日のうちに 権力も威光も失うの?ああ、意地悪な運命! 私の大切な神、チェーザレもたぶん死んだのね 丸腰のコルネーリアとセストも 私を助ける術はない、おお神よ! もう生きる望みは何もない |
Piangerò la sorte mia, sì crudele e tanto ria, finché vita in petto avrò. Ma poi morta d’ogn’intorno il tiranno e notte e giorno fatta spettro agiterò. (parte con le guardie) | 私は わが運命を嘆くでしょう こんなにも辛く 邪悪に満ちた わが運命を この胸に命ある限り でも死んだ後は あの暴君に夜も昼もまとわりつき亡霊 となって苦しめてやることでしょう (衛兵と共に出て行く) |
映像は、チェコスロバキア出身の著名なメゾソプラノ歌手マグダレーナ・コジェナー(Magdalena Kožená’、1973年-)による歌唱の録音です。非常に豊かな美しい声です。