このタイトル、何かに似てる?ちょっと古い?かなり古い。でも昔のラジオの音声を思い出しました。昔々、ベルリン・オリンピック、女子200m平泳ぎで金メダルをとった「前ハタがんばれ」です。
前ハタではない前川喜平さんは、昨年来「日本人の良心」を代表する時の人として期待されています。昨年来K学園問題で政府の方針に真っ向から異を唱えAbeの支配する政府に睨まれていますが、その分市民からの絶大な信頼を得ています。
1月ごろ、その前川さんが2月に今治市で講演を行うとのニュースを聞いた私は「行こうかな!」と思ったほど。物事の核心を真っ正直にしかも論理的に解き明かし誰をも納得させる頭脳明晰、しかもとってもダンディ、お育ち良さげな素敵な人です。
その人が、先月名古屋市のある公立中学での授業(講演)をおこなったその内容について、文科省が執拗な「調査」をしたので、また大問題になっています。
その問題に対しても、今日の前川氏は「政府からの教育への介入の盾になるべき文科省が、なぜそのようなことをしたのか?文科省を責めるのではなく、その上に、裏にいる人を考えてください」と発言しました。
前川喜平氏の講演、文科省が理由尋ねるメール公開 「具体的かつ詳細にご教示を」と繰り返す(朝日新聞)
文部科学省から名古屋市教育委員会への要請メール(全)
その、前川さんの「加計問題」ではなく「森友問題」についてのコメント。
“司令塔”は「今井総理秘書官」前川喜平・前文科事務次官が推測
“キーパーソン”の佐川宣寿前国税庁長官がようやく国会で証人喚問される。前文科事務次官の前川喜平氏が「森友疑惑」について直言する。
国政調査権のある国会に提出された文書が改ざんされていたとは、民主主義が崩壊する事態で犯罪的行為だ。こんな悪事を、真面目で小心な官僚が、自らの判断でできるなど、到底考えられない。文書改ざんは、官邸との間ですり合わせがあって行われたとしか思えない。官僚が、これほど危険な行為を、官邸に何の相談も報告もなしに独断で行うはずがない。文書の詳細さを見れば、現場がいかに本件を特例的な措置と捉えていたかがわかる。忖度ではなく、官邸にいる誰かから「やれ」と言われたのだろう。
私は、その“誰か”が総理秘書官の今井尚哉氏ではないかとにらんでいる。国有地の売買をめぐるような案件で、経済産業省出身の一職員である谷査恵子氏の独断で、財務省を動かすことは、まず不可能。谷氏の上司にあたる今井氏が、財務省に何らかの影響を与えたのでは。今回の問題は、財務省の凋落を象徴しているともいえる。かつての財務省といえば、官庁の中の官庁。官邸内でも、財務省出身者の力が強かった。だが今、官邸メンバーに財務省出身者がほとんどいない。経産省を筆頭に、他省庁の官僚出身の“官邸官僚”の力が増す一方で、財務省は官邸にNOが言えない状態なのだろう。
佐川氏は今、政治の新たな“犠牲者”になりつつある。彼は“誰か”を守り通すという選択肢以外持ち得ていないようだが、今や一民間人であり、自由人。もう誰にも忖度する必要はない。もし本当のことをしゃべり始めたら、官邸からとんでもないバッシングを受けるかもしれない。しかし私自身がそうだったように、そのバッシングが、身動きの取れない呪縛を解く道につながることもある。
私も加計学園問題より以前、文科省の天下り問題で国会に参考人招致されたときは、まだ役人体質を引きずっていた。政権を守るために忖度もしなければならないと思っていた。でも、そうした一切の未練が吹っ切れたのが、(加計学園の獣医学部の新設の認可に関して、前川氏が会見を開く3日前に掲載された)読売新聞の記事。「官邸はこういうやり方をするのか。ならば
もう何の気遣いもいらない」と、逆にすっきりした。だから佐川氏も本当のことを言えば、楽になれる。
(松岡かすみ)週刊朝日 2018年3月30日号より
4/8 文科省を批判「教育守る義務の放棄」 毎日新聞