今年2回目のIan Bodtridge 日本公演。もちろん、行ってきました!
今回もBenjamin Brittenの音楽。ランボーの詩による歌曲集「イリュミナシオン」。 光、イルミネーション、光と影。
Ianさんが超長身、細身の体を少しゆすって左ステージから舞台に現れると、それだけで演奏会場に華やかさと緊張感が走ります。演奏が始まり、体を大きく揺らしながら、時に苦しげに時に激しく歌い続ける・・・・・・。
異境の世界に誘われるような不思議な難曲を、Ianさんが知性豊かに、時にはエキセントリックに歌いきると、コンサートホールは静かな興奮に包まれました。そして、その中にいることが本当に心地よい至福の時間でした。
コンサート後、Ianさんのサイン会があったので、歌曲集を買ってサインをいただきました。 サインをもらうときちょっとだけ話しをしました。Thank you very much.と低い声で応えてくれました。お顔にはそれなりにしわが刻みこまれ、少し暗い肌でした。誰が見てもとても素敵だと思います。
(ただし、今回はサントリーホールのため制約が厳しく写真は全く撮れないどころか、サインの時も女性2人がIanさんの防衛に廻っていて、時間を与えない、おしゃべりをさせないよう仕向けていてかなり不愉快、残念。)
Ian さんのインタビューより: ランボーの詩に曲をつけたのはブリテンぐらいかな?フランス人にも居ないと思いますが、彼の詩は音声自体が音楽的ですね。言葉だけで音楽のような響きが生まれるのです。内容は確かに謎めいていますが、詩人のイメージの塊には意味が明確でない場合も多く、そういった曖昧さも、この詩が音楽と合わさっても成り立つ理由の一つでしょう。
次回が待ち遠しいけど、きっと来年です。
Ian さんの日本人によるインタビュー記事:こちら
都響指揮者大野和史による「イリュミナシオン」解説:こちら
Proms 2013. Royal Albert HallでのDaniel Hardingとのコンビで演奏されたものがYouTubeにありました。
Britten – Les illuminations (Ian Bostridge, Proms 2013)
Daniel Harding, conductor
Ian Bostridge, tenor
London Symphony Orchestra
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来日前、イギリス・バービカンでの「」冬の旅」公演に使われていた写真;
”1997年の写真”ではありません。今年の写真でした。びっくり。でもうこちらを見るとわかります。2016年の写真です。
The Dark Mirror_ Zender’s Winterreise with Ian Bostridge, Netia Jones and more by Barbican Centre
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